私たちの考え方

制作・開発会社の選び方

初めてWeb制作会社やシステム開発会社をご利用になる、会社経営者やご担当者の方向けに、数ある会社の中から、発注先を選ぶためのご参考にご用意たしました。
選択に当たり、次の三点を明確にしてから、制作会社や開発会社の特性に合わせて発注先を選択しましょう。もし、方向を明確にできない場合には、信頼できそうな会社に相談してしまうのも、一つの手です。ちゃんとした会社であれば、相談に乗ってくれます。

  1. 社内で出来ることと、制作・開発会社に発注する内容を明確に
  2. どんなサイト、システムを導入するか明確に
  3. ツールだけを導入するのか、ソリューションも必要なのか明確に

社内で出来ることと、制作・開発会社に発注する内容を明確にしましょう

サイトの導入やリニューアル、業務システムの導入が決まったら、次のことを明確にしましょう。
  1. 導入、リニューアルの目的
  2. 予算
  3. 導入、リニューアルまでのタスク洗い出し
  4. 社内リソースで、何ができるか
  5. 発注先に委託する業務、期待する提案

発注先を決定する前提として、特に2)~4)が重要になります。導入までのタスクを洗い出し、社内でできないことを、外部の制作・開発会社に発注することになります。

例えば、Webサイトを導入する場合、次のようなタスクがあります。
  1. 導入目的に合わせてサイト戦略・プロモーション戦略を練る
  2. 戦略に合わせたコンテンツを企画
  3. サイト設計・システム設計(システムが必要な場合)
  4. デザイン・サイト制作・システム開発
  5. サーバーや回線、ドメインの準備
  6. 問い合わせや資料請求の受け入れ準備
  7. 問い合わせや資料請求の受け入れ準備
  8. プロモーションの準備
  9. サイト公開
  10. プロモーション開始
  11. 効果測定
  12. 改善案策定

これらのタスクのうち、社内で出来ることは社内で対応し、社内でできないことを制作・開発会社に発注することになります。

ご参考までに、業務システムを導入する場合のタスクです。
  1. 現状の業務プロセス分析
  2. 現状のシステムプロセス分析(既に導入されている場合)
  3. 業務プロセス、システムプロセスの検証・見直し
  4. システム設計
  5. システム開発
  6. サーバー等インフラ準備
  7. 導入研修
  8. システム導入
  9. 効果測定
  10. 改善案策定

どんなサイト、どんなシステムを導入するか明確にしましょう

一概にサイト、システムといっても、色々な種類があります。制作・開発会社には得手・不得手がありますので、導入するサイト・システムの種類を明確にする必要があります。

サイトの種類(構造による分類)
  1. 静的サイト(システムが絡まないサイト)
  2. ECサイト(物販を目的としたサイトで、決済や商品登録、受発注においてシステムが絡みます)
  3. CGMサイト(Consumer Generated Media:SNSやブログ、クチコミサイト、Q&Aサイトなどです。
    システムが絡みますが、パッケージ化された製品も市販されています。)
  4. CMSサイト(Contents Management System:管理サイトから、簡単に更新できるサイトです。
    パッケージ化された製品も市販されています。)

きれいなデザインができればいいのか、あるいはシステムが必要なのかにより、選択する制作会社が決まります。

システムの種類(仕様による分類)
  1. オープンシステム(世界的な標準仕様に則ったシステム、一般的にはUNIXのことを示します。
    標準化されているので、汎用性がシステム同士の連携が取りやすい。
    日本ではMicrosoft Windowsもオープンシステムに分類される。)
  2. メインフレーム(ハードウェアメーカーの独自仕様によるシステム。汎用性が低い。現在でも富士通、日立、ユニシス、NEC、IBMはメインフレームを販売しており、金融系システムや、公共システムで高いシェアを維持している。ただし現在では、オープン標準仕様を取り入れている。)

大規模システムを導入される場合には、重要な要素になりますが、スモールビジネスにおいて、オープンシステムを選択するケースがほとんどですので、あまり考慮する必要はありません。

ツールだけを導入するのか、ソリューションも必要なのか明確にしましょう

サイト、システム何れにせよ、ツールそのものだけが必要なのか、それともソリューションも必要なのか、明確にしましょう。

サイトの場合

Webサイトの導入、リニューアルについは、とりあえず作りたい、という場合もありますが、大抵の場合、導入、リニューアルの目的があります。ツールだけ導入すればその目的が達成される、あるいは目的達成のための方法を知っているのであれば、サイトを構築できる事業者を選べばいいことになります。もし、そうではない場合、ソリューションが必要になり、必然的にソリューションができる制作会社を選択することになります。また、制作会社により、得意なソリューションが異なります。

サイトを導入・リニューアルする目的
  1. 問い合わせ・資料請求増加、あるいは売上増加
  2. ブランディングのためのプロモーション
  3. 受注から商品の発送まで業務をスムーズに行いたい
  4. 顧客の囲い込みをしたい
  5. 顧客の声を集めたい

システムの場合

システムの導入においては、パッケージを導入あるいは開発するだけで、目的が達成できる場合があります。例えば、会計ソフト購入などがそれに当たります。しかしながら、会計分野においても、会社独自の業務プロセスや業務体制に合わせると、ソリューションやカスタマイズが必要になります。ドイツSAP社の業務統合ソフト(ERP)R/3など、業務全般についてのパッケージソフトもありますが、会計ソフト同様、導入には業務プロセスの改善や業務に合わせたカスタマイズが必要です。

インフラ目的
  1. メールやファイルサーバー
業務効率化
  1. 業務プロセス標準化(営業業務/経理業務/総務業務/受発注業務/配送業務/検品業務・・・等々)
  2. 作業の自動化・コスト削減(手作業で行ってたデータ入力をOCR読み取りにする等)
経営戦略目的
  1. 情報共有(成功・失敗事例のナレッジ共有等)
  2. 在庫管理(在庫数の適正化/在庫評価の適正化)
  3. 活動の定量化・評価(営業活動や生産活動における活動量を定量化し評価に活かす等)
  4. 顧客情報の蓄積(顧客情報を蓄積し、サポート、開発、マーケティングなど他の部署で活かす等)
  5. データ連携(受注・発注・在庫管理・会計それぞれ別々になっていたデータを連携させる等)

インフラ目的や業務効率化を目的にしたシステム導入は、パッケージ導入やソリューションが必要ない開発で済む場合があります。前述の会計ソフト購入がこれにあたります。
最終的に売上・利益の向上を目指し戦略的にシステムを導入する場合には、ソリューションが必要になります。もし特定部署だけではなく、全社的に導入する場合には、業務統合ソフト(ERP)の導入とソリューションが必要になります。

制作・開発会社の種類

以上の三点を明確にした上で、どんな種類の会社に相談すればいいか、方向を決めましょう。最終的には、会って話し、提案してもらい、あなたの会社を理解しようとする姿勢や、提案の内容があなたの会社のことを考えたものになっているかどうかで、決定してください。
また、会社の規模感も重要な要素です。制作会社、開発会社いづれも、大企業であれば、どのような案件にも対応できますが、そもそも、それなりの規模の案件を請け負うことを前提としているので、規模なりの費用が掛ります。逆に、小企業であれば、人材の数の面で大規模案件には対応できない場合があります。コンサルティングと言えども同様で、実地調査など人数が必要な場合があるので、対応できないこともあります。

Webサイト制作会社の種類

デザイン系
デザイン業に加えWebサイト制作を行っている会社です。デザイン会社だけに、デザインのクオリティーが高く凝ったデザインも可能です。Webサイトの経験が少ない場合にはユーザビリティに対する考慮が足りなかったり、システムやマーケティング、プロモーションが弱い場合があります。
静的なサイトで、コーポレートサイトや凝ったデザインが必要なサイトの制作に向いています。
システム系
システム開発会社がWebサイト制作を行っている会社です。システム会社だけに、ECやCGM、CMSの構築に強みを持っています。一方プロモーションやマーケティング、SEOなどコンサルティング分野が弱い場合があります。システムを必要とするEC、CGM、CMSなどの構築に向いています。
印刷系
出版会社がWeb制作を行っている会社です。出版だけあって、紙でのデザインが長いことから、デザインクオリティは高く、また、広告や会社案内の延長でサイトを作っている会社も多くあります。会社によってはマーケティングや広告に長けている場合があります。ただし、デザイン系同様、システムが弱かったり、ユーザビリティに欠ける場合があります。
静的なサイトで、コーポレートサイトや広告サイトなどの制作に向いています。
映像系
映像制作会社が、Webサイト制作あるいは映像コンテンツを制作している会社です。映像配信システムに強みを持っている場合が多く、映像コンテンツに限らず、FLASHなどのリッチコンテンツも対応できる企業もあります。見受けられます。一方マーケティングやプロモーション、コンサルティングには強くない場合があります。映像コンテンツの制作に向いています。
広告系
広告代理店が、Webサイト制作を行っている会社です。Webサイト制作単体ではなく、他の広告とセットでWebサイトを制作している場合が多く見受けられます。広告代理店だけにマーケティングやプロモーションに強みを持っています。中小企業の場合、システムに弱い場合がありますが、大手代理店の場合、制作専門の子会社を持っており、システムも十分に対応できます。 広告サイトなどの制作に向いています。
コンサルティング系
サイトを活用するための戦略をコンサルティングしてくれる会社です。コンサルティングの分野はそれぞれで、企業に毎に特色があります。たとえば、ビジネスコンサルを得意としてる企業もあれば、Webシステム、SEO・SEM、インフォメーションアーキテクチャ、プロモーション、マーケティング、ブランディングなどを強みとしている会社もあります。自社では制作しない企業もありますので、注意する必要があります。ソリューションから必要な場合に向いています。また、何をしたらいいか分からない、場合にも相談してもいいでしょう。
コンテンツ系
特定のコンテンツに強みを持っている制作会社です。例えばレシピや占いコンテンツが強いなど。サイト制作全般を委託するのではなく、一部コンテンツの制作を委託する場合に向いています。
携帯系
携帯サイトの制作を得意としている制作会社です。Web制作会社であれば、携帯向けサイトも開発できますが、掲載サイト特有のノウハウがあり、このノウハウを持ち合わせていない場合があります。例えば、携帯の機種依存や簡単ログイン機能などです。また、携帯の場合にはマーケティング、プロモーション手法もPCサイトとは異なります。携帯サイトで、ビジネスを成長させたい場合に向いています。

システム会社の種類(SIer・システムインテグレーター)

メーカー系
コンピューターメーカーの系列企業のことです。富士通や日立、NEC、IBM、などの系列企業がこの分類になります。メーカの汎用コンピューター専用のシステムであるメインフレームの開発を主に行っていますが、2000年代に入りオープンシステムの開発も行っています。主に大規模なシステムを得意とし、さまざまなクライアントの要望に応えるため、ソリューションが充実していることが特徴です。大規模システム開発に向いています。
サービス系
金融や商社などメーカー以外の事業者のシステム部門が独立してできたシステム会社です。NTTデータ、野村総研、新日鉄ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズなどがこの分類になります。オープンシステムで大規模なシステム開発を主に行っています。メーカー系同様にソリューションが充実しています。大規模システム開発に向いています。
ベンダー系
MicrosoftやOracleなどOSやデータベースを開発している企業のことです。自社製品をベースにしたシステム開発を行っています。ソリューションが充実しており、メーカー系、サービス系と比較すると、若干規模の小さい中規模から大規模な開発を行っています。
大規模なシステム開発に向いています。
独立系
独立系のシステム会社です。会社数が多く、業態、得意分野も様々です。規模が大きな企業では、富士ソフト、ソラン、CSK、オービック、大塚商会などがあります。これらは、オープンシステムでの中規模開発を主に行っており、中堅企業向けの業務統合ソフト(ERP)を発売している企業もあります。“派遣”の業態をとっている企業もあります。メーカー系、サービス系など大企業が一次受けの案件に対して、人材を派遣します。建築業界と同様にシステム業界にも派遣の構造は深く根付いており、中小独立系システム会社では、この業態をとっているケースが多く見られます。このような企業は、直接クライアントから受託した経験に乏しく、ソリューション力が低いです。委託先としては向きません。
一方、中小独立系システム会社でも、独自のソリューションでサービスを提供している企業ありますので、どんなソリューションを提供しているのか、見極める必要があります。
メーカー系やサービス系の大企業に委託できる企業は少なく、ほとんどの企業は中小独立系のシステム開発会社に委託しています。しかしながら、中小システム会社は派遣構造の弊害で、ソリューション能力が低かったり、あるいは、得意分野がまちまちなので、業者の選択は非常に難しいです。
ソフトハウス
独自のソフトを開発販売している企業です。会計ソフトや特定業界向けのソフトなど、分野は様々です。自社製品の販売と、カスタマイズをしています。
会計系
監査法人の系列のシステム開発会社です。主に海外の業務統合ソフト(ERP)の導入を行っています。監査法人のコンサルティング会社がコンサルティングに入ることが多く、戦略系ソリューションに強みを持っています。
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